帯状疱疹後

ピリピリとした皮膚の痛みやしびれがある
赤い発疹が現れ、水ぶくれになっている
皮膚に焼けるような痛みが広がっている
かさぶたになった後も痛みが残っている
三十九度以上の発熱がある
耳鳴りやめまいを感じることがある
上記のような症状に悩みながらも、どの程度で病院を受診すべきか分からず、我慢してしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これらの症状は、「帯状疱疹」や「帯状疱疹後神経痛(PHN)」の可能性が考えられます。
帯状疱疹は、誰にでも突然発症する可能性がある病気です。発症から七十二時間以内に病院を受診し、薬の服用を開始することが重要とされています。
上記のお悩みが複数当てはまる場合には、早めに医療機関を受診し、適切な対応を受けることが大切です。
帯状疱疹後に対する当院の考え

帯状疱疹は、体内に潜伏している水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスが再び活動を始めることで発症する病気です。
幼少期に初めてこのウイルスに感染して発症するのが「水ぼうそう」です。水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体内から完全になくなるわけではなく、神経節と呼ばれる部位に潜んでいます。
本来は体の免疫機能によってウイルスの活動が抑えられていますが、疲労が蓄積していたり、体力が低下したりすると免疫機能が弱まり、ウイルスが再び活動を始めることがあります。
その結果、胸や背中、頭、顔、腕などに、ピリピリとした痛みを伴う発疹や水ぶくれが現れるようになります。
また、帯状疱疹は神経の走行に沿って症状が広がることが特徴です。そのため、「焼けるような」「拍動するような」「刺すような」と表現される神経痛が生じる場合があります。
さらに、発疹が治まった後も強い痛みだけが残る「帯状疱疹後神経痛(PHN)」に移行することがあるため、発症後はできるだけ早い段階での対応が重要とされています。
一度症状が落ち着いた場合でも、加齢や過労、ストレスなどの影響により再発する可能性があります。
帯状疱疹は長期間にわたって悩まされることも少なくない病気です。症状の軽減を目指すためには、無理をせず、根気よく施術やケアを続けていくことが大切です。
帯状疱疹後を放っておくとどうなるのか

帯状疱疹をそのままにしてしまうと、発疹や水ぶくれなどの皮膚症状が落ち着いた後も、「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼ばれる刺すような強い痛みが、数か月から数年にわたって続く後遺症が残る場合があります。
痛みが強く出やすいため、日常生活にも支障が生じ、生活の質(QOL)が大きく低下することがあります。
後遺症では痛み以外にもさまざまな症状が現れる可能性がありますが、その中でも特に多いのが「帯状疱疹後神経痛(PHN)」です。
焼けるような痛みや、電気が走るような痛み、軽い接触でも強い痛みを感じるアロディニアなどがみられることがあります。これらの痛みが長く続くことで、気分の落ち込みや精神的な負担につながる場合もあります。
また、顔に発症した場合には「眼部帯状疱疹」と呼ばれる状態に移行し、視力低下を引き起こす可能性があります。状態によっては重い影響が残ることもあるため注意が必要です。特に、鼻先に水ぶくれが見られる場合は、目への影響が出やすいとされています。
そのほかにも、顔面神経麻痺や難聴などの合併症が起こる可能性があるため、できるだけ早い段階で医療機関を受診し、適切な対応を受けることが重要です。
帯状疱疹後の軽減方法

帯状疱疹の施術は、症状の速やかな緩和とウイルスの活動を抑えることを目的として行われます。施術にはいくつかの方法があり、外用薬や内服薬による薬物療法、ブロック注射、自宅でのケアなどを組み合わせて行うことが、効果が期待できるとされています。
まず、帯状疱疹ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬や、痛みを和らげるための鎮痛薬が処方されることが一般的です。皮膚の症状の状態によっては、塗り薬が使用される場合もあります。痛みが強く出ている場合には、ブロック注射によって痛みの伝達を抑える対応が行われることもあります。
また、症状を和らげるために自宅で行えるケアもあります。帯状疱疹のケアとしては、体を温めることが大切とされています。湯船につかって全身を温めたり、痛みが強いと感じる際には、カイロや蒸しタオルなどを使用して患部を優しく温めることで、痛みが和らぎやすくなる場合があります。
ただし、自宅でのケアはあくまで症状の緩和を目的としたものであり、施術そのものではありません。そのため、自己判断だけで済ませず、必ず医療機関を受診し、適切な対応を受けることが大切です。
帯状疱疹後の軽減に効果的な当院の施術メニューは?

帯状疱疹後神経痛の施術では、痛みを抑え、帯状疱疹の影響を受けた神経の回復を促し、生活の質の向上を目指すことが大切です。そのため当院では、マッサージと鍼灸施術を提案しています。
マッサージによって筋肉の緊張を緩めることで血行が促され、患部周辺の回復が期待されます。また、鍼灸施術には筋肉を緩めて血行を促進する作用に加え、炎症を抑えたり神経の興奮を和らげたりする働きが期待されます。帯状疱疹は神経に炎症が起こることで強い痛みが生じやすいため、神経の走行に沿って鍼灸を行い、神経への負担を和らげることで、痛みの軽減が期待されます。
さらに、鍼灸施術では自律神経へのアプローチも行い、体のバランスを整えることで、免疫機能を支える働きも期待されます。このような理由から、当院ではマッサージと鍼灸施術を組み合わせた対応を行っています。
ただし、発症直後は患部に直接刺激が加わることで、水ぶくれが破れたり、痛みが強く出たりする可能性があります。そのため、症状が落ち着いてから、必ず医師に相談したうえで施術を受けるようにしましょう。
その施術を受けるとどう楽になるのか

整骨院で行うマッサージは、単に身体をほぐすことを目的とするものではなく、日常生活で蓄積した負担によって硬くなった筋肉を緩め、血行を促し、身体をより良い状態へ導くための施術です。帯状疱疹は免疫機能の低下が関係して発症することがあるため、日頃から疲労を溜め込まないように身体を整えることで、体力の維持や免疫機能を支えることも大切だと考えられます。
鍼を行うことで血流が促され、筋肉の緊張が和らぎ、身体が本来持つ回復力を引き出す働きが期待されます。また、お灸によって患部を温めることで血流がさらに促され、鍼と組み合わせることで神経の興奮を和らげ、温熱作用による痛みの軽減が期待されます。
さらに、鍼灸施術は自律神経のバランスを整え、ストレスの軽減や睡眠の質を高めることが期待される施術です。帯状疱疹の発症要因の一つとされる免疫機能の低下に対しても、身体の状態を整えるという点でサポートが期待できます。そのため、症状が落ち着いた後も、メンテナンスとして定期的に施術を受けることで、再発しにくい身体づくりにつなげることが可能です。
軽減するために必要な施術頻度は?

施術を開始して間もない時期や、痛みが強く出ている場合には、週2~3回を目安に、できるだけ間隔を詰めて施術を行うことが大切です。施術の間隔を空けずに続けることで、施術後に痛みが和らいだ状態を、より長く保ちやすくなります。
ただし、帯状疱疹はストレスの影響を受けやすいとされているため、来院頻度が高くなること自体が負担になってしまう場合も考えられます。そのような場合には、無理のない範囲で施術を進めていくことが重要です。
当院では、患者様一人ひとりの生活スタイルや症状の状態に合わせた通院ペースを大切に考えています。少しでも気になることがございましたら、些細なことでもお気軽にご相談ください。




