変形性膝関節症

動き始めの痛み
ひざの腫れ、熱感
ひざの曲げ伸ばしの可動域制限
膝の痛みがずっと続く
歩く、座るなどの日常動作に支障をきたす
加齢やひざへの過度な負担により、膝の軟骨がすり減ります。削られて取れた軟骨のかけらが骨膜を刺激することで炎症が起こります。さらに、軟骨がすり減ることで骨同士がぶつかり合い、骨の変形が生じます。その結果、痛みや動きにくさが現れる症状です。
動き始めの痛みは初期に見られる症状です。座っている状態から立ち上がるときなどに、瞬間的に痛みが出ることがあります。これを放置すると、膝の腫れや膝の可動域制限、膝の痛みが長く続くなど、中期に見られる症状が加わってくることがあります。
さらにそのままにしていると、日常生活に支障をきたす程度まで進行する場合があります。これまでと同じような動きができなくなっていくこともあります。
変形性膝関節症に対する当院の考え

変形性膝関節症は、加齢や体重による負荷、筋力低下などが膝に負担をかけることで起こる症状です。また、膝の軟骨がすり減ることや、すり減った軟骨のかけらが滑膜を刺激することにより炎症が起こり、痛みが生じます。痛みが出ることで膝を動かすことに抵抗を感じるようになります。その結果、日常の運動量が減少し、筋力低下が進みます。さらに膝への負担が増えるという悪循環に陥ることがあります。
また、変形性膝関節症は整形外科でしか施術ができないと思われている方も多くおられます。しかし、整形外科と整骨院ではアプローチの仕方や行う内容が異なります。
整形外科では、画像診断やヒアルロン酸注射、人工関節に置き換える手術などが行われる場合があります。一方、整骨院では、膝に過剰な負担がかかっている原因に対する施術を目的としています。
例えば、股関節の歪みや、大腿四頭筋など膝周囲の筋肉の筋力低下、柔軟性の低下などが、膝に負担をかけていることがあります。
整骨院では、膝そのものに対する施術だけでなく、関連する周囲の筋肉や骨格、姿勢などにも着目します。これにより、膝への過度な負担の軽減が期待されます。
変形性膝関節症は、加齢や過度な負荷により進行していくことが多いとされています。しかし、膝周囲の筋肉の強化や柔軟性の向上などにより、進行を緩やかにし、日常生活で感じる不便さやストレスを少しでも軽減できる可能性があると考えられます。
変形性膝関節症を放っておくとどうなるのか

初期の段階では、動き始めに痛みが出ることがあります。主に、朝の起床時や椅子から立ち上がるときなど、動作の初めに瞬間的に力を入れた際に、鈍い痛みや重さを感じる場合があります。しばらく動かしたり、歩いたりすることで、痛みが落ち着くことが多いです。また、長く歩いたあとに痛みが出た場合でも、少し休むことで落ち着くことが多く、あまり深刻に感じない方も少なくありません。
しかし、そのまま特に対処せず生活を続けていくと、正座やしゃがみ込む際の痛み、膝の腫れ、膝の曲げ伸ばしのしづらさ、膝の変形などにつながっていくことがあります。動作の最初だけに感じていた痛みが慢性的になり、日常生活に支障が出始める場合もあります。さらに、膝の炎症や軟骨のすり減りが進行し、膝に水がたまることもあります。膝に水がたまると、腫れや痛みなどの症状が現れることがあります。
さらに放置してしまうと、軟骨のすり減りが進み、軟骨がほとんどなくなってしまう場合があります。その結果、骨同士がぶつかり合い、何もしていない状態でも痛みを感じることがあります。また、膝の変形が大きくなり、歩行が著しく困難になる可能性も考えられます。
変形性膝関節症の軽減方法

変形性膝関節症の痛みの軽減方法としては、大腿四頭筋の強化、ストレッチ、軽い有酸素運動、減量などが挙げられます。
膝を支え、衝撃を吸収する大腿四頭筋やハムストリングスの筋力を強化することは大切です。一人で行える例としては、仰向けに寝て膝裏に丸めたタオルを置き、太ももの筋肉に力を入れて床に押し付ける方法があります。ただし、激しい運動を行うとかえって膝への負担が高まってしまう可能性があります。そのため、無理のない範囲で行うことが重要です。ご自宅で継続的に運動を行うことに不安がある方や、どの運動でも痛みが出てしまう場合には、当院の楽トレをおすすめします。
また、ストレッチを行うことで太ももの柔軟性が高まり、膝の曲げ伸ばしがしやすくなることによる軽減が期待できます。
変形性膝関節症の軽減が期待できる施術メニューは?

当院でおすすめしている施術は、楽トレ、筋膜ストレッチ、鍼です。
大腿四頭筋を運動で鍛えようとすると、ご自身の体重や運動時の衝撃により、どうしても膝に負担がかかりやすく、痛みが出やすい場合があります。しかし、軟骨がすり減った膝への負担を抑えるためには、大腿四頭筋の筋力は大切だと考えられています。
そこで、楽トレではベッドに寝ていただき、電気を流すことで筋力強化が期待できる施術を行います。外部からの電気によって筋肉を収縮させることで、運動時のように筋肉へ負荷をかけ、筋力の向上が期待できます。施術中は横になっているだけのため、運動時に生じやすい膝への衝撃や負担を気にせず、筋力強化を目指すことができます。
また、大腿四頭筋の柔軟性が低下すると、膝の曲げ伸ばしがしづらくなり、膝への負担が増えることがあります。そのため、筋膜ストレッチを行うことで、膝周囲の筋肉の柔軟性を高め、膝への負担の軽減が期待されます。
さらに、鍼は抗炎症作用が期待できるため、膝の軟骨に関連した炎症を抑え、痛みの軽減が期待できます。
その施術を受けるとどう楽になるのか

楽トレを行うことで、大腿四頭筋に電気を流し、筋肉を収縮させることにより、筋力強化が期待できます。大腿四頭筋の筋力が高まることで膝が安定し、衝撃を吸収する力が高まります。その結果、膝への負担が軽減され、不安定感や痛みの軽減が期待できます。筋力は短期間で身につくものではないため、期間は長期的に考えていただくことが大切です。ただし、三か月ほど継続することで、ふらつきなどが少し軽減される可能性があります。
大腿四頭筋やハムストリングス、ふくらはぎ、内転筋群など、膝周囲の筋肉の柔軟性が低下していると、膝の曲げ伸ばしに負担がかかり、痛みが出ることがあります。筋膜ストレッチを行うことで、これらの膝周囲の筋肉の柔軟性を高め、膝への負担や痛みの軽減が期待できます。
鍼を行うことで血行が促進され、膝周囲の筋肉の過緊張がやわらぐことや、痛みの軽減が期待できます。また、抗炎症作用が期待できるため、膝の軟骨のすり減りに伴う炎症の抑制が期待できます。
変形性膝関節症を軽減するために必要な施術頻度は?

楽トレは筋力トレーニングの一種のため、三日に一回程度の頻度が理想とされています。筋力強化を目指す際には、筋肉を休ませる期間もトレーニングと同じくらい大切です。
筋膜ストレッチは、施術後およそ七十二時間で作用が徐々に落ちていくと考えられています。そのため、こちらも三日に一回、つまり週に二日程度行っていただくことが理想です。楽トレと並行して行う場合には、ストレッチによる血行促進が期待でき、筋肉の回復をサポートする作用も期待できます。
ただし、お仕事などのご都合により、この頻度での通院が難しい方も多いかと思われます。そのような場合でも、最低限として週に一回は来ていただくことが望ましいと考えられます。



