悩みタイトル

焼けるような痛みが持続的に続くことがある。
電気が走るような鋭い痛みを感じることがある。
刺すような強い痛みが、一定の間隔で繰り返し出ることがある。
衣服が触れるなどの軽い刺激でも、強い痛みを感じることがある。
患部の感覚が鈍くなったり、しびれや麻痺したような感覚が続くことがある。
ピリピリ、チクチクとした痛みや、かゆみと混ざったような不快な感覚を伴うことがある。

帯状疱疹後に対する当院の考え

帯状疱疹後神経痛(PHN)とは、帯状疱疹が落ち着いた後も神経の損傷が残り、痛みが長期間続く状態のことです。帯状疱疹は、水ぼうそうの原因である水痘・帯状疱疹ウイルスが体内に潜伏し、加齢や疲労、ストレスなどによって免疫力が低下した際に再び活性化することで発症します。皮膚には水ぶくれや赤みが現れますが、その際に皮膚の下にある神経が炎症によって傷つくことがあります。この神経のダメージが十分に回復しない場合、皮膚症状が落ち着いた後も痛みだけが残ることがあります。これが帯状疱疹後神経痛です。

症状としては、焼けるようなヒリヒリとした痛み、針で刺されるような鋭い痛み、ズキズキとした痛みなどがみられます。また、触れただけで強い痛みを感じる、アロディニアと呼ばれる触覚過敏の症状が出ることも特徴です。衣服が擦れたり、シャワーの水が当たったりするだけでも痛みを感じる場合があります。さらに、気温の変化やストレス、疲労によって痛みが強まることも少なくありません。

帯状疱疹後神経痛は、高齢になるほど起こりやすいとされており、特に50歳以上では発症する割合が高くなる傾向があります。多くの場合は数か月以内に落ち着いていきますが、半年から数年にわたって痛みが続く方もいらっしゃいます。痛みが長引くことで、睡眠の質の低下や集中力の低下などが起こり、生活の質が下がりやすくなるため、早めの対応が重要と考えられます。

対応としては、痛みの原因となる神経の過敏な状態を抑えることを目的に、医療機関では神経の興奮を抑える内服薬や外用薬、神経ブロックなどが用いられることがあります。また、鍼灸や物理療法などを併用し、血流を整えながら神経の回復を促す方法が取り入れられることもあります。大切なのは無理に我慢しないことで、痛みを抱えたままにしていると、長期化しやすくなる場合があります。

帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹が落ち着いた後も神経のダメージが残ることで続く痛みであり、適切な施術や日常生活でのケアを行うことで、痛みの軽減が期待できる状態といえます。

帯状疱疹後を放っておくとどうなるのか

帯状疱疹後の症状をそのままにしていると、痛みや神経症状が長期化し、生活の質が低下する可能性があります。特に注意が必要とされているのが「帯状疱疹後神経痛(PHN)」です。これは、神経が強く傷ついた状態のまま十分に回復しないことで起こる慢性的な痛みとされています。PHNは、皮膚の発疹が落ち着いた後も数か月から数年以上続くことがあり、灼熱感のある痛みや刺すような痛み、触れただけで強く痛むアロディニアと呼ばれる症状が残る場合があります。

このような状態を放置すると、痛みによって睡眠が妨げられたり、集中力の低下や食欲不振、ストレスの増加など、日常生活への影響が大きくなることがあります。また、痛みを避けるために体を動かさなくなることで、筋力の低下や姿勢の乱れにつながることもあります。さらに、帯状疱疹が出た部位によっては、目に後遺症が残ったり、顔面神経麻痺が長引いたりするケースもみられます。

早い段階で適切な施術や痛みへのケアを行うことで、後遺症のリスクを抑えられる可能性があるとされています。痛みや違和感が続く場合には、無理をせず、医療機関へ相談することが大切です。

帯状疱疹後の軽減方法

自宅でご自身で行えるケアとして、以下の点が挙げられます。

① 患部を冷やしすぎず、刺激を避けること
帯状疱疹後神経痛は神経が過敏な状態になっているため、冷気や摩擦、圧迫などのわずかな刺激でも痛みが強く出やすい傾向があります。
・冷房や扇風機の風が、患部に直接当たらないようにすること
・衣服はコットンなどの柔らかい素材を選び、締め付けを避けること
・下着やインナーの縫い目、タグが患部に当たらないよう工夫すること
・就寝時はタオルや薄手の腹巻きなどで患部をやさしく保護すること
このような工夫を行うことで、神経への刺激を最小限に抑えやすくなります。

② 体を温めて血行を促すこと
神経痛は血流が滞ることで痛みが強まりやすいため、体を冷やさず、温めることが大切です。無理のない範囲で体を温めることで、痛みの軽減が期待できます。

③ 入浴やストレッチで筋肉の緊張を和らげること
神経痛があると、無意識のうちに体に力が入り、筋肉がこわばりやすくなります。筋肉の緊張は痛みを強く感じさせる要因となるため、入浴や軽いストレッチなどでやさしく緩めるケアが重要です。

④ ストレスや睡眠不足への配慮
神経痛は自律神経の状態に影響を受けやすいとされています。ストレスや睡眠不足が続くと、痛みを強く感じやすくなる場合があります。そのため、十分な休息をとり、心身をリラックスさせることも大切です。

帯状疱疹後の軽減に効果的な当院の施術メニューは?

帯状疱疹後神経痛は、皮膚症状が治まった後も神経線維の損傷や炎症が残ることで、焼けつくような鋭い痛みや慢性的なしびれ、衣服が軽く触れただけでも強く感じるアロディニアなどの症状が、長期間続くことがあります。日常生活に影響が出るほどつらく感じられる場合も多く、早期に適切なケアを行うことが大切です。

当院では、まず患部だけでなく、身体全体の筋肉の緊張状態や姿勢のバランス、神経の過敏な状態を丁寧に評価します。そのうえで、状態に合わせた刺激の弱い安全性に配慮した施術を行うことを基本としています。鍼施術は、損傷した神経の興奮を穏やかにし、血流を整えることで神経の回復を促す効果が期待できる施術であり、慢性的な神経痛に対して用いられることが多い方法です。

また、灸施術では心地よい温熱刺激により局所の血行を高め、冷えや筋肉の緊張を和らげることで、痛みの負担を軽減します。当院では、患部周囲の筋肉が硬くこわばり、神経への圧迫が強まっている場合には、無理のない範囲で軽い手技による施術やストレッチを行います。身体全体のバランスを整えながら、痛みの悪化を防ぐことを大切にしています。

さらに、低周波や干渉波といった電気刺激による施術を併用することで、神経の過敏な状態を和らげたり、筋肉の緊張を効率よく緩めたりすることも可能です。これらの施術を組み合わせることで、神経痛への負担を少しずつ軽減し、生活の質を高めるサポートが期待できます。

その施術を受けるとどう楽になるのか

帯状疱疹後神経痛(PHN)の施術を受けることで、多くの場合、痛みの軽減や神経の過敏な状態の緩和、筋肉の緊張の軽減が期待できます。PHNは、ウイルスによって損傷した神経が過敏な状態となり、皮膚症状が治まった後も、焼けるような痛みや触れるだけで強く感じる痛み、ズキズキ・ビリビリとした不快な感覚が長期間続く状態です。当院では、薬だけでは届きにくい神経や筋肉の機能面に着目し、症状の長期化を防ぎながら、生活の質を高めることを目的とした施術を行っています。

鍼灸施術では、極細の鍼による刺激で血流を整え、傷ついた神経の周囲環境を穏やかに整えることで、神経の興奮を落ち着かせ、痛みを和らげる効果が期待できます。また、灸による温熱刺激は、冷えや血行不良によって強まりやすい神経痛を穏やかにし、自律神経のバランスを整えることにもつながります。過敏になった神経への刺激は最小限に抑え、身体への負担が少ないやさしい方法が選ばれるのが一般的です。

手技による施術では、帯状疱疹後の防御反応によってこわばった筋肉をゆっくりと緩めます。患部周囲の血液やリンパの流れを整えることで、神経への負担を軽減していきます。痛みが長期間続くと姿勢が崩れやすくなり、さらに不調が重なりやすくなるため、身体全体のバランスを整える調整もあわせて行います。

継続して施術を受けることで、
・痛みの強さが徐々に和らぐことが期待できます。
・寝返りや着替えがしやすくなる場合があります。
・触れたときの痛みが軽減することがあります。
・冷えやストレスによる症状の悪化が起こりにくくなる場合があります。

ただし、PHNは個人差が大きく、症状が落ち着くまでに時間を要することもあります。そのため、鍼灸整骨院では一人ひとりの状態に合わせて刺激量や施術内容を調整し、無理のない範囲で回復をサポートしていくことが大切です。

軽減するために必要な施術頻度は?

帯状疱疹後神経痛(PHN)の来院頻度は、痛みの強さや皮膚の過敏な状態、発症からの期間によって異なりますが、一般的には初期はこまめに通い、状態が落ち着いてきた段階で徐々に間隔を空けていく流れが望ましいとされています。

初期の痛みが強い時期(発疹が治まった直後から約1か月ほど)は、神経の興奮を抑え、症状の悪化を防ぐ目的で、週2~3回の来院が目安となります。特に鍼灸施術は、回数を重ねることで自律神経のバランスが整いやすくなり、過敏になった神経への負担が軽減されやすくなります。

痛みがやや落ち着いてくる中期(1~3か月目)は、状態に応じて週1~2回に頻度を調整します。この時期は、筋肉の緊張や姿勢の癖へのケアを行い、痛みが長引くことを防ぐことが大切です。

さらに症状が安定してきた後期(3か月以降)は、メンテナンスとして月2回程度の来院で十分な場合もあります。ただし、回復のスピードには個人差があるため、その時々の状態を確認しながら無理のない頻度に調整していくことが重要です。